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2014年10月5日日曜日

雨の日 10/5


今日、私は二つのものにふられた。
一つ目は雨。
今日の雨は本当に綺麗だった。
粉雪のような雨が、私の心をしとしとと湿らせた。激しく降った時も、なんだか今日は美しかった。
私は電車に乗りながら、谷川俊太郎の「ひとりぐらし」を読んでいた。周りの人は、スマホをずっと見ている。私はそれが嫌いだ。
もし、一年間電車の中でスマホでなく本を読むことにしたら、その人の一年間は豊かになっていると思う。本を読んでいると、周りのことを深く考えられるようになるし、それ以上におもしろいことを沢山見つけられる。自然と、自分の考えがそこから生まれたりするんだ。
あと、最近は日本語が下手な人が多いと感じるから、みんなもっと本を読む必要があると思う。


本の上に、黄色くて小さい虫が乗っかってきた。
いつもだったらすぐ払うのに、今日は、その虫が綺麗だと思って払わなかった。

誰もいない駅のホームだった。
私一人しかいないのに、アナウンスは大きく響いていた。
なんだか、時の流れに逆らって立っているようだった。
霧のような雨が、空気に乗って鼻をすり抜ける。それが私の背骨あたりに当たった時、自分の強さと、日常の壊れてしまいそうな繊細さを感じた。私は、立っている。
今日の雨は、私を悲しい気持ちでなく、暖かい気持ちにさせた。まるで、雨が私に最近欠けていたものを与えてくれたようだった。
黄色い虫は、飛んでいった。次は、どこへとまるのかな。

ホームに、二人くらいのおじいちゃんがきた。一人は、何かを見失ったかのように見えた。
私がそう見えただけかもしれないけど。
電車が来た時、そのおじいちゃんをもう一度見た。
その瞬間、あの黄色い虫がおじいちゃんの背中にくっついた気がした。
電車のすれ違う音、美しい風のこすりあう音、アナウンスの声。
全部、私の大切なものになった。
全てが、全てのものとリンクした気がした。

あのおじいちゃんの背中は、少し明るく見えた。おじいちゃんも、私と同じく立っていた。

曇り空だったけど、今日は本当に美しかった。
私は、この雨が人々の心を溶かして、みんなを人間らしくしたんだと思う。
みんな、何かを気づいたんじゃないかな。

二つ目に、彼氏にふられた。(笑)
彼も、今日の雨で何かを気づいたのかな。
まあ、いいもんね、私だってふろうと思ってたんだから。ふるときの辛さもわかるし。
今日、攻める気にならないし。ふう




人っ気のない駅にいたのは、私が乗り過ごしてしまったから。
無駄な時間かと思えば、これは人生の中でも貴重な時間だったぞ。
今、あの黄色い虫はどこにいるのかな。
また、美しい雨の日に乗り過ごす予定だから、会いに来てね。


moene





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