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2015年3月21日土曜日

金魚オレンジ

私の友達は、好きでもない口紅をつける。雑誌の付録の、真っ赤な口紅。いや、オレンジの口紅。
あまりにも酷い色だって言うけど、そんなに嫌ってる訳でもなさそうだと思う。
その子のお母さんがね、その色を、金魚みたいな色だって言ったんだって。だからね、
その子はその、オレンジ色の口紅を塗ったときに、
金魚を食べたんだ。って言った。
私はその時それを見て笑うんだけど、
雨が降った時、その口紅が私の友達に似合いすぎていると思ってしまった。
あなたは金魚?
雨の中の金魚。
美しいって思ってしまう。そういえば、私は昔から金魚が好きだ。
私の大好きな友達は、金魚を食べてしまったのか。それとも、金魚なのか。
嫌われたオレンジ色は、
暗い色の、湿った場所で何よりも輝いていた。
私はどうすればいいか分からない。
真っ赤よりも、あのバカみたいなオレンジは、濃く深く、染み付いてしまう。
そう。あの子が言ってた。
この口紅、落ちないんだよね!

私はね、あの口紅を捨てて欲しい。
似合いすぎているから。
私は、それを見たら、どうすればいいのか分からなくなってしまう。
私の大好きな友達は、私の中で、一番美しい友達。
金魚は、自分の目が回っていることさえ気づかないんだ。
だからね、私は何も言えないんだけど、
淡々として強くて美しい私の友達には、金魚を近くに置かないで欲しいんだ。




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